糖尿病の人口は、日本だけでなく世界中で爆発的に増加しています。そんな状況に歯止めを掛けるべく、世界中で様々な薬の開発研究が行われており、新薬の登場が期待されています。厚生労働省の承認を得るために行われる臨床試験は治験と呼ばれ、私は現在も新薬の治験に携わっております。
東京慈恵会医科大学 糖尿病・代謝・内分泌内科に在職中は、小児の1型糖尿病患者さんを始め、失明や下肢切断などの重篤な合併症を持つ患者さん、超高齢者の糖尿病患者さん、妊娠糖尿病の患者さん、また外国人の糖尿病患者さんの診療も行ってきました。糖尿病の治療で重要な点は、個人個人の病態を正しく見極めて、理解することです。しかし病態は時々刻々と変化していきますので、内服薬やインスリン注射を含む治療の定期的な見直しが必要です。慢性疾患であり、治療が長期にわたる例も多いため、間違った解釈で漫然と続けてしまうと、後々取り返しのつかない事態になることもあり得ます。すい臓は一人一つしかありません。大切に使いましょう。